ロボットの脳を創る Robot Brain Project CREST 自律行動単位の力学的結合による脳型情報処理機械の開発
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ロボットの脳を創る Robot Brain Project
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研究成果|吉澤グループ

視覚認識モデルとオンライン線形判別分析
 
*1埼玉大学工学部,*2東京理科大学理工学部
吉澤 修治*1,溝口 博*2


脳の情報処理にならった認識・判断技術の実現を目指し,三つのテーマについて研究を行なった.

第一のテーマである生体情報処理のモデリングに関する研究は,脳の情報処理のしくみを, 神経細胞レベルおよび神経回路網レベルで解明するものである.シナプス競合と調整のメカニズムを明らかにし競合・調節の有無の組合せ4通りをすべて実現する学習則を提示したこと,生体において初期視覚野レベルで注視パターンが決定されていることを示す結果を得たことが, 本研究の成果である.

第二のテーマは, 認識技術に関する研究である.人間は、人が動いている様子を映した2次元動画像を見るだけで、3次元空間でどのように動いているのかを把握することができる.その仕組みの解明は未だ不完全ではあるが、おそらく、脳の内部に人体モデルを持っており、それを2次元動画像に当てはめ、より自然な動作を推定していると考えられる.本研究では、同様なアプローチで、2次元動画像から抽出された人体の関節位置に基づく3次元動作推定を試みた。関節位置にノイズが加わったときの定性的な性質を調べ、3次元姿勢の候補がなくなってしまうほどのノイズが付加されるまで推定動作の不自然さは変化しないという振舞いを観察した。

第三のテーマは, 判別技術に関する研究である.学習能力を持ち学習途中で状況が変化してもそれに適応できる,高次元の入力情報から判別に有用な成分を抽出できる,などの特徴を持つ判別技術の開発を目指して,オンライン線形判別分析(OLDA)アルゴリズム等を考案し,その特性を解析した.さらに, OLDA を用いた顔認識システム,任意パターン認識システム,踵追跡による歩行ピッチ抽出システムを開発し, 有用性を実証した.

参考文献

[1] Y.Sakai : Neuronal Integration Mechanisms Have Little Effect on Spike Auto-correlations of Cortical Neurons, Neural Networks, Vol.14, No.9, pp.1145-1152, 2001.

[2] 村岡,酒井,吉澤 : 二次元動画像からの動作情報の抽出, 第11回日本神経回路学会講演論文集, pp.115-116, 2001.

[3] K.Hiraoka, S.Yoshizawa, K.Hidai, M.Hamahira, H.Mizoguchi, and T.Mishima : Convergence Analysis of Online Linear Discriminant Analysis, International Joint Conference on Neural Networks (IJCNN), III-387-391, 2000.

[4] K.Hiraoka, M.Hamahira, K.Hidai, H.Mizoguchi, T.Mishima, and S.Yoshizawa : Fast algorithm for online linear discriminant analysis, IEICE Transactions on Fundamental of Electranics, Communications and Computer Science, Vol. E84-A, No. 6, pp.1431-1434, 2001.

[5] 岡部, 日台, 平本, 溝口, 平岡, 重原, 三島, 吉澤 : 認識対象パターンの対話的教示が可能なOLDAベース任意画像パターン認識システム, 計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会 (SI2002)講演論文集(II), pp.159-160, 2002.




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